スムージーとスムージーのボウル歴史

スムージーの誕生

スムージーの原型が生まれたのは約100年前のアメリカ西海岸です。1919年にポーランド系アメリカ人化学者であるスティーブン・ポプラウスキーが、Arnold Electric Companyとの契約の元で電動ミキサーの設計を開始し、1922年に特許を取得しました。

このミキサーはミルクセーキ(シェイク)を作るために設計されていました。電動ミキサーが普及する以前は、ミルクセーキ系の飲み物はエッグノッグのように、砕いた氷と牛乳、砂糖、香料を手でシェイクしたものでした。

これが世界初の電動ミキサーだと言われており、その後1930代には複数のタイプのブレンダーが発明されました。以降、野菜やフルーツがブレンダーにかけられることが一般的になっていき、1940年代にはスムージーがアメリカ全土へと広まりました。

アマゾンの伝統食「アサイーボウル」

スムージーがスムージーボウルへと発展するのに、非常に重要な要素となったのがアサイーボウルの存在です。

今でこそ一般的になってきた「アサイーボウル」ですが、どんな歴史があるのでしょうか?アサイーは元々、南米アマゾン地域で食べられてきたベリーの一種です。

アマゾンでは、全域に渡ってアサイーヤシが茂っています。スイーツとして食べられるような最近の「アサイーボウル」とは違って、伝統的な現地食としては、アサイーベリーの果肉に砂糖を加えず、アマゾンではキャッサバと一緒に主食として食べられていたようです。これがオリジナルのアサイーボウルでした。

現在のローカルでのアサイーの食べ方

さて、アサイーはどのようにしてアマゾンから出てきたのでしょうか?アサイーボウルの現代の歴史について説明します。

アサイーボウルの現代史

1970年代初頭、冷凍のアサイーパルプがアマゾンからブラジル北部の都市に運ばれ始めました。

アサイーパルプ

そして980年代に、グレーシー柔術の創始者であるカーロス・グレーシーが、リオデジャネイロなどのブラジル南部の都市で、現在のアサイーボウルの原型になるもの(冷凍アサイーパルプとバナナをブレンドしたもの)を広めたと言われています。

カーロスは、自身のオリジナルの食事法、グレーシーダイエットを確立し、格闘技におけるパフォーマンスに最大限に活用しようとしました。その中心にあったのがアサイーボウルだったようです。そして、カーロスを敬愛する柔術の弟子たちもアサイーボウルを食事に取り入れるようになり、柔術家の間で定着していきました。

90年代に入ると、ブラジルのサーファーやフィットネス愛好家にアサイーボウルが浸透しました。これには、カーロスの四男であるホーウス・グレイシーがサーフィン好きだったことから、柔術家とサーファーの交流が深まったことが関係していると言われています。

現在、実際、多くのプロの柔術家がサーフィンをしており、また、多くのプロサーファーが柔術のトレーニングを行っています。ホーウスは、1982年にハンググライダーの事故により31歳で死去しましたが、柔術、サーフィン、ハンググライダーと、彼のカジュアルなライフスタイルがうかがえますね。

ホールス・グレイシー

アメリカにおけるアサイーボウルの市場トレンドについては、2021年10月のIBISWorldの報告によれば、アサイーボウルはアメリカで非常に人気が高くなっており、アメリカ人の食習慣の中で着実に定着しています。アサイベリー市場は、2021年には市場価値が72億ドルに達し、近年大幅な増加傾向にあります。この統計は、アサイーボウルが現在だけでなく、健康とウェルネスが消費者にとって重要視されてる中、アサイーがアメリカのフードシーンでの確固たる地位を築いてきていることが伺えます。

スムージーとアサイーボウルが出会いスムージーボウルに?

さて、スムージーボウルがどうできたかですが、どうやら、アサイーボウルのアイデアをベースに、スムージーにトッピングを追加してさらに、食事感覚を強調したものとして、発展してきたようです。

スムージーボウルは、2000年代、特にカリフォルニア州やハワイ州などの健康志向の地域で急速に広まったことから、やはり、このトレンドにもやはり、サーファーの文化が関係していることがに想像できます。

その頃から、スムージーボウル専門のカフェや店舗も登場し、トレンドに拍車をかけました。スムージーが飲みものでなく、食べ物として満足感を得られる「食事」になったのです。

スムージーボウルには、自分の好きなトッピングを追加することができ、その組み合わせはほぼ無限大で、カスタマイズ性が高いという点も魅力でした。

その見た目も美しく、カラフルなトッピングを使ってインスタグラムや他のソーシャルメディアでシェアされることが多く、写真映えする食品としても人気を集めています。これにより、スムージーボウルは若い世代を中心に世界中で広まりましたが、日本ではまだブームと呼べるほどの認知度はありません。

以下は、スムージーボウルの特徴と一般的な作り方です:

  1. ベーススムージー:スムージーボウルのベースとなるスムージーは、通常、果物や野菜、ヨーグルト、ミルク(通常は乳製品または非乳製品ミルク)、果物のジュースなどをブレンドして作ります。ベーススムージーはクリーミーで濃厚なテクスチャーが特徴で、甘さや風味は自分の好みに合わせて調整できます。

  2. トッピング:スムージーボウルの特徴的な部分は、トッピングです。ボウルの上にフルーツ(バナナ、イチゴ、ブルーベリーなど)、ナッツ(アーモンド、くるみ、チアシードなど)、シリアル、ココナッツフレーク、ハチミツ、グラノーラなどを加えます。

  3. カスタマイズ:スムージーボウルは、自分の好みに合わせてカスタマイズできます。お気に入りの果物やトッピングを追加し、栄養価を高めることができます。また、タンパク質を追加するためにプロテインパウダーやギリシャヨーグルトを使用することもあります。

  4. 健康的な選択肢:スムージーボウルは、健康的な食事オプションとして人気があります。豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質を提供し、エネルギーを与えることができます。また、ダイエットやフィットネス目標に合わせて調整することもできます。

  5. ホットスムージー:寒い日に冷たいスムージーボウルを食べるというのは気が引けますし、体を冷やすため、健康にも良くありません。最近では、ホットのスムージーのレシピも研究されていますので、調べてみることをお勧めします。

上記のように、スムージーボウルは、見た目の美しさ、美味しさ、栄養価を併せ持つ食事であり、自宅で簡単に作ることができる、新しい健康食なのです。

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