ドライフルーツといえばレーズン。その歴史や語源について

レーズンの語源

誰もが一度は食べたことのあるドライフルーツと言えばレーズン、干しぶどうでしょうか。ブドウは英語でグレープですが、干しぶどうはレーズン。さて、このレーズンの語源は?

「レーズン」は実はフランス語なんです。意味もそのままで、ブドウのこと。フランス語では、ブドウにも、干しぶどうにも同じ単語が使われます。特に言い分けるために、新鮮なぶどうを指す場合は「raisins frais(レゾン フレ)」、干しぶどうを指す場合は「raisins secs(レゾン セック)」と言います。”frais”は英語で”fresh”、”secs”は”dry”なので、分かりやすいですね。

カリフォルニアでのブドウ栽培

今、レーズンと聞けば、直径1cmほどの、小さくて種のない干しぶどうを思い浮かべると思いますが、昔は干しぶどうと言えば種があるのが当たり前でした。いちいち皮を剥いて種を取り出さなければならず、食べにくかったそうです。レーズンが今の種無しの形になったのは1800年代の半ば、米国カリフォルニアでのことです。

アメリカ大陸にブドウ栽培が伝わったのは、それよりもさらに300年ほど前、1524年にスペインの宣教師がメキシコに渡ったときでした。キリスト教の宣教師たちは布教と同時に、聖餐式で用いられるワインを作るためのぶどう、そしてレーズン用のマスカットの栽培法もアメリカ大陸(メキシコ)に伝えました。

カリフォルニアでの、最初のぶどうの栽培は1769年で、これも宣教師によるものだったそうです。そして、1849年にゴールドラッシュでメキシコから移民してきた移民者の喉を潤すために、カリフォルニアのサンホアキンバレーにブドウが植樹されました。そこから、カリフォルニアでのブドウ栽培が一気に加速します。

 

種無しのレーズン

種無しレーズンに話を戻しましょう。
1870年代初頭、スコットランドからカリフォルニアへ移民としてやってきたウィリアム・トンプソンは、レーズン作りに適したブドウの品種を探していました。彼はイランとトルコの品種がレーズンに合うのではと考え、カリフォルニアへの輸入を開始します。その後、トンプソンはこれらの品種の増殖と交配の技術を磨き、最終的に種無しぶどうを創り出すことに成功しました。これがトンプソン種として知られるようになり、現在のレーズンの形のスタンダードとなりました。現在もカリフォルニアでは、トンプソン種をはじめとする多くの種無しレーズンが栽培されています。

ちなみにドライフルーツに合う飲み物といえばやはりワインですが、ワインには種無しブドウはあまり適さないとのこと。種に含まれる成分であるタンニンがワインの渋みを出すのに一役買っており、さらにこの成分がワインの長期保存に重要だからだそうです。

レーズンの歴史についてまとめてみました。

 

参考記事

FoodReference.com (since 1999), Beverage Articles and News Section
When Did Seedless Grapes Become Popular?
Should you make wine with a seedless grape vine?
Mission (grape)

 

 

ブログカテゴリー