
あなたの知らないパイナップルの秘密。起源と由来について。
パイナップルの起源と名前の由来
ジューシーで甘いとして人気の高いパイナップルですが、その起源を知る人は少ないかもしれません。この美味しい果物の歴史は、遠く南米の土地に遡ります。
パイナップルは南アメリカ、特にブラジル北部の原産です。現地では、元々は「nana(香り)」という名前で呼ばれていたようです。その後「nana nana(香りの香り)」と呼ばれるようになりました。これは素晴らしい香りという意味を持つそうです。ここから、カリブの先住民トゥピ族がはこの果物を「anana」と名付けました。
今でもフランス語などの言語では、パイナップルは「ananas」と呼ばれます。実はパイナップルを「アナナス」と呼ぶ言語の方が世界では多いんです。
パイナップルを「アナナス」と呼ぶ言語
アラビア語、ドイツ語、フランス語、オランダ語、ギリシャ語、ヘブライ語、ヒンディー語、スウェーデン語、トルコ語、ラテン語、エスペラント語など |
出典:https://termcoord.eu/2016/08/pineapple-or-ananas/
パイナップルという言葉の由来
ではパイナップルという言葉はどこから来ているのでしょうか?
研究によれば、1493年にコロンブスが新大陸を探検していた際に、この果物を「piña de Indes」と名付けたとのこと。これは「インディアンの松」を意味するんです。これは松ぼっくりとパイナップルの果実が似ているから、という理由でした。(松は英語で「pine tree」と言います。)
そして味や香りがりんごと似ていたことから、「Pine +Apple」でpineappleと名付けられました。英語圏でも1800年代までは「ananas」と「pineapple」が併用されていたようです。面白いですね。
ヨーロッパへの伝播:「新世界の奇跡」パイナップル
パイナップルは、栽培が容易で、繁殖もしやすいため、次第に南米大陸の多くの地域で人々に受け入れられ、広がっていきました。また、パイナップルは保存性が高く、長い間新鮮さを保つことができるので、移動する際の食料としても重宝されました。
16世紀、ヨーロッパの探検家たちが新世界を探検し始めると、彼らは数々の未知の文化や動植物と出会いました。その中でも特に注目を集めたのが、美味しさと魅力的な外観を持つパイナップルでした。
最初にパイナップルに出会ったのは、クリストファー・コロンブスの第二回航海中の1493年とされています。彼はカリブ海のグアダルーペ島でこの果物を見つけ、その独特な形と甘い風味に驚きました。コロンブスは船にパイナップルを積み込み、スペインへと持ち帰りました。
ヨーロッパに初めて紹介されたパイナップルは、すぐに上流階級の間で大変な評判となりました。その特異な形状、鮮やかな色合い、そして何よりその風味は、ヨーロッパの人々にとってはまさに「新世界の奇跡」として受け入れられました。
しかし、ヨーロッパの寒冷な気候ではパイナップルの栽培は困難であり、当初は温室での栽培が試みられました。そのため、初期のヨーロッパでのパイナップルは非常に高価であり、贅沢品として王や貴族だけが楽しむことができるものでした。この時期、パイナップルは「果物の王様」とも称され、ヨーロッパの宮廷や貴族の宴席でのデザートとして人気を博しました。
また、パイナップルはヨーロッパのアートやデザインにも大きな影響を与えました。17世紀の絵画や陶磁器、さらには建築においても、パイナップルをモチーフとした作品が多く生み出されました。
19世紀に入ると、技術の進歩により温室栽培が容易になり、パイナップルの生産量が増加。これにより、徐々に中産階級の家庭でもパイナップルを楽しむことができるようになりました。
いくつ知っていますか?(パイナップルの豆知識)
1.一つの果実ではない?
パイナップルを一つの果実として捉えている方も多いでしょう。しかし実は、パイナップルは多くの小さな果実が集まって形成された複合果です。それぞれの「ウロコ」状の部分が、個別の果実であり、これが集合して大きな果実を形成しているのです。パイナップルの実は実際には多くの小さな実が集まったもので、スナックパインという種類のパイナップルは一つ一つの実を手で剥がして食べることができます。
2.パイナップルの花と実の関係
実は、パイナップルの実として食べているのは花の一部分で、花托と呼ばれる部分です。パイナップルの花は放射状に配置された葉の中心から、パイナップル形をした花序が作られ、花茎が伸びて花を咲かせます。花は通常紫色で、パイナップルの実の表面にはひし形の鱗のような模様があります。この模様は花が集合花であり、下から順に咲いていくことから形成されます。
3.自然な成熟
一度収穫されると、パイナップルはこれ以上熟すことはありません。つまり、収穫された時点の状態が最も美味しい状態ということになります。これは、他の多くの果物とは異なる特性です。
4.パイナップルの成長
パイナップルは地下の茎から成長するのではなく、中央の大きな葉の束から真上に果実が成長します。
5.パイナップルの成長期間は?
パイナップルの成熟までには、植樹から1~2年の時間がかかることが一般的です。
6.家でもパイナップルが育つ?
切り取ったパイナップルの頂部を土に植えると、新しいパイナップルの木が育つことがあります。
7.健康な土壌
パイナップルは健康な土壌を必要とせず、砂質の土地や岩場でも成長します。
8.パイナップルの葉の利用
パイナップルの葉は、高級な布地や壁紙の製造にも使われます。また、一部の国々では、パイナップルの葉を家畜の飼料として使用します。
9.実は野生種が少ない
今日私たちが食べている多くのパイナップルは栽培種で、野生のパイナップルは数が非常に少ないです。
10.世界最大のパイナップルは?
世界で最も重いパイナップルは、約8.06キロだそうです。
11.世界の生産
現在、フィリピン、タイ、ブラジルが世界最大のパイナップル生産国として知られています。
14.ハワイのパイナップル
20世紀初頭、ハワイは世界のパイナップルの90%を生産していました。
15.パイナップルと楽器
ハワイの伝統的な楽器であるウクレレの初期の形は、パイナップルの形を模倣して作られました。これは、「パイナップルウクレレ」として知られ、独特のデザインと音色が楽しめるものとして人気があります。
16.初めての商標フルーツ
パイナップルは世界で初めて商標登録を取ったフルーツです。